変形性股関節症とは?
変形性股関節症は、脚の骨(大腿骨)と骨盤との間にある軟骨が磨り減り、炎症、そして痛みを発症させる病気です。骨と骨の接合部のずれが、軟骨の状態を悪化させていきます。
原因は様々ですが、骨盤の臼蓋が大腿骨の接続部分をきちんと覆っていない状態(臼蓋形成不全)が加齢と共に進行して発症するケースが、日本では多く見られます。また、女性に多い病気であることも特徴の一つです。変形性股関節症の進行は、前股関節症、初期、進行期、末期の4つの段階に分けられます。
変形性股関節症の原因
変形性股関節症の主な原因は以下の要因です。
- 年齢: 加齢に伴い、関節の軟骨が減少し、変形性股関節症のリスクが高まります。
- 遺伝: 遺伝的要因も変形性股関節症の発症に影響を与えることがあります。
- 過度の負担: 長期間にわたる股関節への過度な負担やスポーツ活動が原因となることもあります。
変形性股関節症の症状
股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。
関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
一方日常生活では、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たします。階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。
診断
変形性股関節症の診断は、症状、身体検査、および画像検査に基づいて行われます。
- 症状の評価: 医師は患者の症状や疼痛の程度を評価します。
- 身体検査: 股関節の可動域や炎症を確認するために身体検査が行われます。
- 画像検査: レントゲン、MRI、CTスキャンなどの画像検査が股関節の状態を評価するのに役立ちます。
病院での一般的な治療
変形性股関節症の治療は、症状の重症度に応じて異なります。
変形性股関節症対策としては、股関節にかかる負担を、できるだけ減らす工夫を行なっていくことが大切です。低い姿勢で生活し動作することの多い、いわゆる和式の生活から、洋式といわれる生活スタイルに切り替えること、体重のコントロール、弾力性のある靴選び、適正な杖やカートの使用が効果的です。
変形性股関節症の治療は、温熱療法と運動療法、そして薬物療法が基本となります。
温熱療法
温めることで股関節の血行をよくし、筋肉をほぐして痛みをやわらげます。慢性の痛みへの対策として効果的です。ただし、急性の強い痛みがあるときは、炎症を起こしていることも考えられます。この場合は、温めると逆効果になるので注意しましょう。
運動療法
運動療法は、変形性股関節症の治療の基本となります。股関節の筋肉の柔軟性を保つ効果や、関節の位置を矯正して痛みを軽減することが期待できます。
運動療法としては、ストレッチと筋肉トレーニングが効果的です。ストレッチは、股関節をリラックスさせて、楽に動かせるようにすることを目的として行なってください。筋肉トレーニングは、疲労や痛みを生じさせない運動量を目安に、継続して行なうようにしましょう。ちなみに、ストレッチが不足している状態で筋力トレーニングを行なうと、症状を悪化させる恐れがあります。運動療法には、医師の指導が欠かせません。よく相談して、正しい方法を身につけてください。
薬物療法
薬物療法は、急性の強い痛みに対して行なわれます。あくまでも、一時的に痛みを緩和することが目的で、薬物療法によって病気そのものを完全に治療することはできません。
外用薬、内服薬、座薬、注射薬による抗炎症薬が、症状の程度に合わせて使用されますが、日常的に薬物治療に頼らなければならない場合は、手術療法を検討する段階に症状が進行していると考えられます。
手術療法
手術療法を検討するポイントは、痛みの程度、日常生活で感じる不自由さ、さらには、将来的に悪化する可能性など、総合的に判断します。また、年齢や職業なども検討項目に入ってくるでしょう。
- 関節鏡手術
内視鏡を用いて、関節軟骨の傷んだ部分を削って滑らかにすることで、炎症を改善する手術。症状の程度や年齢に関わらず、幅広い患者を対象として行なうことができます。 - 骨切り術
患者自身の骨の一部を切り取って活用し、変形した股関節の形を整えることで症状を改善する。基本的には、病状が初期で、60歳以下の方が対象となります。 - 人工関節手術
傷んだ股関節を取り除いて、「人工関節」に置き換える手術。病状がかなり進んでいる60歳以上の人に適しています(人工股関節の耐用年数が20年ほどであるため)。
ラスバル鍼灸整骨院での施術
現時点での痛みや可動域(関節の動く範囲)、股関節周りの筋肉の筋力などを評価し、歩行状態や日常生活での動作、趣味やスポーツの動作も評価して、それぞれの目標に合わせたプランを立て、リハビリテーションを進めていきます。
変形性股関節症は傷ついた軟骨を戻すのが目的ではなく、股関節の負担を減らすために、股関節やその周囲の関節の動きを正しい動きに修正していくことが一番大切なことになります。
症状の重症度によっては、適切な病院への受診を勧める場合がございます。
軟骨の病態が回復しなくとも、症状が改善するケースは多く見られます。
安易に手術療法を行うのではなく、手術の選択の前にできることを考えていくことも大切になります。
整体
痛みや症状を改善するためにリラクゼーションのマッサージではなく、解剖学・運動学的視点から考えられた手技施術を行います。
はじめに行った評価をもとに、患者様の前後左右の筋肉の柔軟性のバランスを整え、筋肉や関節、骨格を本来あるべき理想の位置に戻すための施術を行なっていきます。
また、痛みを引き起こしている箇所にできるだけ負荷を与えないよう、必要に応じて痛みが出ている箇所のまわりの関節の可動域を広げる施術も行います。
鍼灸
整体に加え、必要に応じて鍼治療を行います。鍼治療はピンポイントで狙った表層から深層までの筋肉を緩める作用のほかに血液循環を良くしたり、免疫細胞の増加・活性化に作用があります。
鍼を用いて神経や障害を起こしている筋にピンポイントでアプローチをすることで筋肉の緊張を取り除いたり、痛みを抑制させることが可能です。
ピラティス
整体や鍼灸で身体のバランスを整え、関節の可動域を出した後はピラティスを行います。ピラティスは“理想的な姿勢を学び、理想的な身体の動きを学び、それを一生モノの記憶として身体に沁みつかせる”ために、最も効率的な手段であると考えております。 数あるエクササイズの中から患者様のお身体にあったものをご提案いたします。整体で整えた身体を自分自身のモノとして定着させるために必要であり、根本解決のための鍵となります。変形性股関節症は特に骨盤や膝関節、足関節の動きのエラーが見られることが非常に多く見られます。痛みや重症度と相談しながら、可能な範囲でリハビリを行なっていくことが大切です。
特殊電気治療
ラスバル整骨院では医療の国家資格を取得している人のみ、取り扱うことが可能な“特殊電気治療機”を設置しております。 6種類の電気刺激モードを搭載しており、様々な施術と組み合わせ、症状に合わせた多彩な治療を可能にします。
炎症症状が強い場合や関節の痛みが強い場合は特殊電気治療器が非常に有効的です。炎症を回復させ、細胞の新生を促すことで症状の改善を目指します。
予防と管理
変形性股関節症の予防と管理には以下のポイントが重要です。
- 適切な運動: 適度な運動や筋力トレーニングは関節の健康を維持するのに役立ちます。
- 体重管理: 過体重は股関節に過度の負担をかけるため、体重管理が重要です。
- 安全な動作: 関節への負担を軽減するため、正しい姿勢や動作が必要です。
まとめ
変形性股関節症は施術は重症度によって異なります。初期段階でどれだけ進行を遅らせるかが、とても重要になります。
ケアをおろそかにし、やむを得ず人工関節になってしまう方は少なくありません。
日常生活で少しでも股関節に違和感を感じる場合は必ず専門家に相談をしましょう。
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