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四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)とは?

四十肩(五十肩)とは、肩関節の周りに炎症が起こり、スムーズに動かなくなる症状のことです。
そもそも四十肩という病名は存在しません。日常会話の中で使われる「俗称」という位置づけです。「肩こり」や「ぎっくり腰」などと同じような用語になります。

しかし、あまりに一般的に使われ、さらに、その四十肩 (五十肩) に完全にピッタリな正式病名がないことから、しばしば病院やクリニックでも四十肩 (五十肩) という言葉で説明されることが多いかと思います。私自身、四十肩や五十肩という言葉はよく使って説明します。

この四十肩とか五十肩は、ご存じだと思いますが、40歳代から50歳代に多い肩の痛みという、それだけの意味だったりします。ですから、「あなたは四十肩ですね」っていう説明だけでは、ほぼ何の説明にもなっていません。
四十肩・五十肩という言葉を使って説明をする際には、「俗に言う四十肩・五十肩と言って、具体的には・・・」という、原因にまで説明をする必要があります。

四十肩・五十肩はピッタリな正式病名がないと言いましたが、広い意味での病名としては肩関節周囲炎というものがあります。これは肩関節の周りに炎症が起こっているという、ざっくりとした病名になります

四十肩・五十肩の原因(正体)

四十肩・五十肩の原因は、具体的には腱板というインナーマッスルの腱に炎症が起こっている腱板炎であったり、力こぶの筋肉である上腕二頭筋の一部の腱に炎症が起こっている上腕二頭筋長頭腱炎や、腱板疎部という肩の前方の膜や靭帯からなる部分に炎症が起こる腱板疎部炎があります。

そして、肩関節周囲炎とは以下に起こる炎症のことをいいます。

  • 腱板の筋に炎症が起こっている腱板炎
  • 上腕二頭筋の一部の筋に炎症が生じている上腕二頭筋長頭腱炎
  • 腱板疎部に炎症が起こる腱板疎部炎

これらのどこに炎症が起こっても肩関節周囲炎という病名で括られてしまいます。さらに、狭い意味での典型的な四十肩・五十肩としては癒着性肩関節包炎という病名があります。これはかなり原因が絞られて、関節包という肩関節を包む膜に炎症が起こり、最終的には癒着して分厚くなってしまう状態です。

この癒着性肩関節包炎が、肩の強い痛みの後に、可動域が狭くなる、つまり肩が挙がらない、回らない状態に至る典型的なケースだと考えています。

ケースバイケースですが、四十肩・五十肩の原因は、このように肩の周囲に炎症が起こっていたり、肩の関節包に炎症が起こったり癒着していることを原因として説明しています。

ただ、厳密に言えば四十肩・五十肩で肩に起こっていること(メカニズム、正体)というのが正しい表現かもしれません。

つまり、なぜ四十肩・五十肩は炎症が起こったり、癒着が起こってしまうのか?ということに対する答えが原因になるとすれば、その原因は複雑です。

複雑で明らかでない部分ですから、いろんなことをおっしゃる先生や治療家の方がおられます。この場でご理解いただいておいてほしいのは、「原因は明らかではない」ということと、「肩甲骨の動きの関係はあると考えられる」ということ、くらいです。他にも手首が原因だとか、前腕の筋肉が原因だとか、いろいろな説を唱えられる方がおられるので困惑してしまうかもしれません。

しかし、四十肩・五十肩の治療はそういう厳密な意味での原因を改善しないと治らないものではありません。四十肩・五十肩で肩に起こっている炎症や癒着による拘縮などを改善すること自体が根本治療になります。

症状

特に大きなきっかけがなく肩に痛みが発生し、その後数週間から数か月かけて徐々に、あるいは急速に痛みが増します。

はじめは「なんとなく肩に違和感がある」程度であったものが、「少し動かすだけでとてつもなく痛い」や、「夜寝ていて痛みで起きてしまう」などの強い症状を呈するようになることが多いです。

人によっては痛みのために1,2時間以上眠れないという状態が数か月から1年以上続くこともまれではありません。

病気が進行すると関節包に線維化(固くなること)が生じ、肩の動かせる範囲が著しく狭くなります。このために、つり革を持てない、エプロンの紐を後ろで結べない、洗顔ができない、寝返りが打てない、など多彩な症状を呈し、著しく生活の質が低下します。

肩関節周囲炎の病期は、炎症期・拘縮期・回復期に分類され、症状もそれぞれの時期で異なります。

炎症期 (痛みが非常に強い時期)

明らかなきっかけなく、急速に強い痛みが生じます。多くの場合、安静時痛・夜間痛を伴います。

拘縮期 (肩まわりの動きが硬くなる時期)

強い痛みがやわらいだのち、肩の動きが悪くなる「拘縮」へと移行する時期です。
肩を動かした時に痛みを感じたり、動きの悪さから日常生活動作に不自由を感じることが多くみられます。

回復期 (症状が回復してくる時期)

運動時の痛みや運動制限が次第に改善する時期です。積極的なリハビリを行うことで、肩の動きの回復が早くなります。

診断

四十肩・五十肩の診断は、症状の詳細な評価と身体検査に基づいて行われます。必要に応じて、超音波検査、画像検査(X線、MRIなど)が行われることもあります。

病院での一般的な治療

四十肩・五十肩の治療には一般的に以下治療法があります。

  • 薬物療法: 炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や疼痛緩和薬が処方されることがあります。
  • 物理療法: 物理療法士によるエクササイズやマッサージが症状の軽減に役立つことがあります。
  • 注射療法: ステロイド注射や関節内注射が痛みや炎症を軽減するのに役立つことがあります。

ラスバル鍼灸整骨院での施術

四十肩・五十肩の施術は炎症期・拘縮期・回復期の病期によって異なります。

現在の患者様の病態を適切に把握した上で、的確な施術を行う必要があります。

整体

痛みや症状を改善するためにリラクゼーションのマッサージではなく、解剖学・運動学的視点から考えられた手技施術を行います。
炎症期や拘縮期の場合、無理な手技施術は行いません。回復期に入っている場合、手技施術が最大の効果を発揮します。回復期にどれだけ、正常可動域を取り戻せるかどうかが非常に重要であり、数年後の予後に影響を与えます。
炎症期は痛みを引き起こしている箇所にできるだけ負荷を与えないよう、必要に応じて痛みが出ている箇所のまわりの関節の可動域を広げる施術も行います。

鍼灸

整体に加え、必要に応じて鍼治療を行います。鍼治療はピンポイントで狙った表層から深層までの筋肉を緩める作用のほかに血液循環を良くしたり、免疫細胞の増加・活性化に作用があります。
鍼治療は無理に関節を動かす必要がないため、どの期間においても非常に有効的な施術です。また、パルス波を用いた電気治療を行うことで鎮痛効果をもたらす施術も行います。

ピラティス・運動療法(リハビリ)

回復期に入った段階では、積極的に自分の力で自分の関節を動かすリハビリを行います。
四十肩・五十肩を経験すると、肩関節周辺の筋肉が著しく低下します。そのため、回復後に日常生活に支障なく生活を送るためには筋力回復のトレーニングが必須となります。様々な器具を用いて低負荷から中負荷のトレーニングをマンツーマンで行います。

特殊電気治療

ラスバル整骨院では医療の国家資格を取得している人のみ、取り扱うことが可能な“特殊電気治療機”を設置しております。 6種類の電気刺激モードを搭載しており、様々な施術と組み合わせ、症状に合わせた多彩な治療を可能にします。
四十肩・五十肩の初期症状では炎症が強く見られるため、特殊電気治療期を用いて炎症を抑える治療や細胞の回復を促す治療を行います。

最短での回復を目指すには非常に有効的な治療法です。

まとめ

四十肩・五十肩はよく聞かれる疾患名ではありますが、必ず知識のある専門家に診てもらう必要があります。
ただ年齢や加齢によるものだと思い、軽視するのではなく些細な痛みや違和感があっても必ず専門家に相談をしましょう。

どういう人が五十肩になりますか?

肩関節周囲炎は中年以降に発症することが特徴です。40代で発症した場合は四十肩、50代で発症した場合は五十肩と呼び、呼び名が変わりますが同じ病気です。全人口の2-5%がかかるとされており、特に40歳から60歳の女性に多いとされています。また糖尿病の人は五十肩になりやすく、10%近く頻度が増加します。

どんな症状が出たら五十肩と考えられますか?

五十肩であると診断するためには、次のような状態を把握することが重要です。
① 前からバンザイをして腕を挙げていったときに、顔の高さくらいまでしか上がらない
② ズボンの後ろポケットに手を入れるのが痛くてつらい、あるいはできない。
③ 夜寝ていて肩に痛みがある
この3つがすべて当てはまれば五十肩(肩関節周囲炎)である可能性が極めて高いです。

五十肩は動かした方がいいですか?

五十肩になると、肩が動かなくなってしまうのでは?と心配して、痛いのに無理をして動かそうとしてしまう人がいますが、痛みの強い時期(寝ていて痛い、じっとしても痛いなどの症状があり痛みが増している時期。炎症期とも言います)は無理をして動かさないほうが良いです。炎症期に無理に動かすと炎症が余計に増して痛みが治りにくくなります。
治療や自然経過で炎症期が過ぎれば痛みは徐々に落ち着いてきます。そのタイミングで動かしていくのが最も早く治るコツです。専門医に適切なアドバイスをもらうことが重要です。

五十肩でやってはいけないことはありますか?

夜寝ていても痛い、安静にしても痛いなどの状態の時に、無理に動かそうとしたり、他の人にグリグリと肩を動かされたりしてしまうと、強い痛みが出てしまい、かえって痛い期間が長引きますので絶対にやってはいけません。

夜寝ていて肩が痛いのですが、五十肩でしょうか?

夜寝ていて肩が痛いという状態を「夜間痛」と呼びますが、五十肩の典型的な症状のひとつです。寝返りを打つと痛い、痛いほうの肩を下にして眠れない、眠ってから1,2時間ほどすると痛みで起きてしまう、朝起きると肩が痛いなどの症状を持つ方が多いです。
夜間痛が強い場合は重症な五十肩になっていることが考えられますので、専門的な治療を受けたほうが望ましいです。

五十肩になりました。寝ていると痛みで起きてしまいます。正しい寝方はありますか?

仰向けになったとき、肩に対して肘が下がった位置になると、肩の前方に負担が生じ、五十肩で炎症を起こしている部位を刺激してしまうため、痛みが出やすくなります。
タオルやクッションを利用して肘の位置を少し高くすることで寝ている時の痛みが和らぎます。痛みの状態に合わせて調整してください。

五十肩になり2か月がたちました。いつ治るのでしょうか?自然に治りますか?

五十肩は、ある程度の期間は痛みが続きますが、最終的には(治療をしてもしなくても)痛みがなくなるという特徴があります。ですが、痛みの期間や強さには個人差があり、一言で「五十肩」と言っても軽症から重症まで幅があることが知られています。
重症であるほど痛が長く続きます。軽い場合は数週間から数か月で痛みは治りますが、重症の場合は(適切な治療を受けなければ)最低でも1年半は痛みが続きます。海外の研究では、重症の五十肩の場合、(湿布や痛み止め、リハビリなどの治療をしていても)3年経過しても4割近くの患者さんに痛みが残っていることが報告されています。
腕が上がらない、肩が動かせないといった動きの制限の度合いが強い人ほど重症ということが言えます。
重症の五十肩は炎症期、拘縮期、回復期という時期を経て治っていきます。
3つの期を合計したトータルの罹病期間は1年半から3年ほどかかります。
炎症期(2-9か月):
夜間の痛みが出ていることが多く、肩がどんどん動かなくなっていく時期。安静時痛(じっとしている時の痛み)が強い。
拘縮期(4-12か月):
腕の動かない状態が続く時期。痛みのある側を下にして寝ると痛みが出る、朝起きた時に痛みがある、特定の姿勢で痛みが出る、腕を動かした時に痛みが出る、腕を動かす範囲が狭くなったまま、などの症状がでています。ただし炎症期ほど強い痛みではないです。
回復期(12‐42か月):
痛みが大幅に減り、だんだんと関節が動くようになる時期です。
ご自分が重症なのかもと思った方や、いつまでも治らない、という方はぜひ専門家の診察をお受けください。

五十肩は再発しますか?反対の肩もかかりますか?

五十肩は一度治ると、同じ肩に再発することは稀です。ただし反対の肩も五十肩にかかることがあります。特に先になった肩をかばうために反対の肩を酷使した結果、反対の肩に負担がかかりそちらも五十肩になるというケースは存在します。
また、糖尿病のある方は五十肩になりやすく、また一度五十肩になると治りにくいことが知られています。糖尿病の方は専門の治療を受けることをお勧めします。

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