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今回は“貧乏ゆすりが身体に及ぼす驚きの効果”について書いていきます。
一般的に行儀が悪いとされている「貧乏ゆすり」
実は医学的視点で考えると身体にとても良い効果があることがわかっています。
今回はこの「貧乏ゆすり」について深掘りをしていきたいと思います。
貧乏ゆすりの名前の由来
貧乏ゆすりは名前の通り、貧乏人が無意識にやることからつけられたものです。
- 貧乏人はやることがないからひたすら揺すって暇を潰している。
- 貧乏人はせかせか働いているように、高貴な人からは見えるから。
- 貧乏人は冬に暖房器具が無く、寒さで震え、足を揺すっている。
- 高利貸しが貧乏人から取り立てる際に足を揺することが多かったから。
- 貧乏人が緊張のあまり、足を揺すっていたから。
- 貧乏人は食べ物を口にできず栄養失調となり、病気にかかって手足が震えていたから。
などなど、様々な諸説があります。
貧乏ゆすりの原因
貧乏ゆすりの原因は未だ完全に解明されていないのですが、名前の由来と同様にいくつかの説があるとされています。
- 何かのきっかけ(脚を椅子に当てるなど)で筋が収縮し、それから起こる一連の伸張反射によって、脚の前後の筋が交互に収縮伸張を繰り返すため。
- ずっと座っていると、下半身の血流が滞ってしまう静脈血栓塞栓症になるので、それを解消するために反射的に行っている。
- 人間は何もしないという行為は、心理的に不安になることが多いため、それを解消するために気を紛らわせている。
- 取り過ぎたカロリーを本能的に消費しようとしている。
など、こちらも調べてみると様々な諸説があるようです。
医学的に考える「貧乏ゆすり」の効果
日本では貧乏ゆすりは行儀が悪いとされていますが、海外ではジグリング(貧乏ゆすり様運動)と言われ、身体に及ぼす良い効果が多くあると考えられています。
1.関節軟骨の再生
貧乏ゆすり(ジグリング)は変形性股関節症、変形性膝関節症の保存療法としてエビデンス(科学的根拠)が確立された唯一の運動療法です。
貧乏ゆすりをすることで、およそ6割で軟骨の生成を促す効果が見られており、実際に整形外科のリハビリでも用いられています。
2.冷え、浮腫の解消
貧乏ゆすりを行うことでふくらはぎの血流増加、皮膚温度の上昇が観察されており、冷えや浮腫の症状には十分に効果が期待できると考えられます。
3.ストレス解消
貧乏ゆすりによる振動で、精神を安定させる幸せホルモン、「セロトニン」が分泌されることがわかっており、イライラを沈め、ストレス解消、リラックス効果が期待できると考えられます。
4.股関節周囲の筋緊張の緩和
貧乏ゆすりを繰り返すことで脚の筋が収縮伸張を繰り返し、血流改善と共に筋緊張の緩和、筋疲労の緩和が期待できます。
貧乏ゆすりのやり方
貧乏ゆすりのやり方はとても簡単です。
①椅子に浅めに腰掛け、股関節と膝を90度に曲げる。
②足の先を床につけ、踵を上げる。
③この状態でできるだけ早く踵を上下させる。
時間の目安は毎日2時間以上とされていますが、まずは15分程度から初めてみましょう。
クセになるくらいまで続けるべきだと考えられています。
まとめ
人前では行儀が悪いとされている貧乏ゆすりですが、上記のように様々な効果が得られることがわかっています。
自宅やプライベートの空間などで実践し、様々な健康効果を実感してみてください◎
最後までご覧いただきありがとうございました!
参考文献
- 広松聖夫ほか:変形性股関節症に対する保存療法.リハビリテーション医学,42: 431, 2005.
- 広松聖夫ほか:Jiggling(貧乏ゆすり)を併用したキアリ骨盤骨切り術.整外と災外,62(3): 436-445, 2013.
- 広松聖夫ほか:貧乏ゆすり(leg jiggling)は軟骨再生に有効か?.Bone Joint Nerve, 3(3): 475-482, 2013.
- 広松聖夫ほか:変形性股関節症に対する新しい理学療法―貧乏ゆすり(ジグリング)について―.Hip Joint, 40: 70-78, 2014.
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栁澤 昂希
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