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ぎっくり腰とは

現場で目の当たりにすることが多い”ぎっくり腰”についてお話しさせていただきます。

ぎっくり腰とは

”ぎっくり腰”は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。

何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。

正式名称は”急性腰痛”

正式には”急性腰痛”と言います。

読んで字の如く急激に発症した腰痛を指し、欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれます。

多くは一週間~二週間程度で自然に回復していきますが、時間経過によって改善が見られない、または下半身に痛みやしびれと言った症状が出現した場合などは椎間板ヘルニアなどの病気が隠れていることがありますので要注意です。

原因

患者様から最も多く聞かれるのは、「重い物を持ち上げた時」に発症するケースですが、「少しお辞儀をしただけ」「ただ立ち上がろうとしただけ」など、 ぎっくり腰が起こる状況は多岐に渡ります。

ぎっくり腰になった時に身体の中では何が起こっているのかは、実ははっきりとしたことは未だ分かっていません。

現時点で仮説としては腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって怪我したような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。

しかし、下肢に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには椎間板ヘルニアや中年以上では圧迫骨折や腰部脊柱管狭窄症などの病気(疾患)の可能性もあります。

椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの病気による痛みをただのぎっくり腰と思って放置したり、激しい動きを行うと症状が悪化してしまう可能性があります。

さらに、がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)や、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿など重大な原因が潜んでいることも時にあります。

通常ではない強い腰痛のときは整骨院や整形外科を受診して正しい診断を受け、万が一にも重大な原因に対して手遅れにならないように注意する必要があります。

ぎっくり腰は安静にした方が良い?

ぎっくり腰は痛みが強いのでついつい横になって休んでしまうことが多いですが、できるだけ安静にしない方が早く治ると言われています。

たくさんの研究がありますが、「ぎっくり腰になった時に安静にしていたグループと、できるだけ普段通りの生活をしていたグループを比べると、痛いながらも普段通りの生活を心がけたグループの方が良くなることが多かった」ということが分かっています。

お体の状態は様々ですので、安静が絶対に悪いというわけではありませんが、痛いながらも、できるだけやれる事をやるということが、改善の近道になりそうです。

激しい動きや運動は行わず、いつもの家事を少しずつやってみたり、職場の理解が得られるなら、重いものを持ったりすることは避けて軽い仕事から復帰してみたり。こういったことを心がけることで、結果的に早く良くなるということが言えると思います。

 

もちろん痛くて全く動けないという状況で無理に動く必要はありませんし、もしかしたら椎間板ヘルニアなどの病気が潜んでいる可能性もあります。心配な症状がある場合は早めに整骨院や整形外科を受診することをお勧めいたします。

ラスバル整骨院での施術

ぎっくり腰と言っても100人いたら100人のそれぞれの状態があると考えられます。

まずは問診検査を徹底的に行い、重篤な疾患が隠れていないかを評価します。

整骨院の範囲外の状態であると判断した場合は整形外科への受診をお勧めいたします。

整骨院で施術を行える範囲内と判断した場合は、施術をおこなっていきます。

 

どのような姿勢、動作で痛みが強く出るのかを評価し、痛みが楽になる状態を探します。

患部に炎症が起きていた場合、症状を悪化させてしまう可能性があるため、患部を直接押圧したりするなどの施術は絶対に行いません。

関節の機能障害のみが原因である場合は、1度の施術で痛みがなくなる可能性は高いと考えます。

しかし、炎症や神経的な問題がある場合は無理に一度で症状を改善させようとするのではなく、できるだけ早く改善する方法を考案、説明いたします。

そのため、基本的には痛みを完全に取り除こうとするのではなく、痛みが生じている部分にできる限り負担がかからないお身体の状態を作ります。

 

どのようなことが原因で負担がかかっているのかは人それぞれであるため、一概には言えませんが、

  • 股関節周囲筋、殿筋、腰椎深部筋、肩周囲筋の緊張
  • 関節の運動パターンの変化
  • 腹部の筋の不活性
  • 胸椎や股関節の可動性の低下

が腰部に強い負荷を与えていると判断できることが多いです。

患者様それぞれ、特に原因になっていると判断できる箇所に手技を用いてアプローチを行い、必要に応じて特殊電気治療器を用いて痛みを抑制させたり、鍼灸を用いて痛みの抑制や筋緊張の抑制、眼の機能にアプローチを行いインナーマッスルを活性化させる方法を用います。

痛みが消失もしくは軽減した後は、今後の治療方針、日常生活での注意点などの説明を行います。

コルセットは必要か

コルセットをつけると楽に動けるという方は多いです。
先述の通り、ぎっくり腰の早期回復のためには、できる限り普段通りの生活を心掛けることが重要ですから、コルセットで楽になり、普段通りの生活が行えるのであれば、有用であると言えます。

ただ、痛みが強い(動いていなくても痛みがある、ズキズキする痛みがある、立ち上がれないほどの痛み)場合は無理せずコルセットに頼りましょう。

「コルセットをつけていると筋肉が落ちてしまうのでは」と心配する方もいますが、寝たきりにでもなっていない限り、コルセットの装着が直接大きな筋力の低下につながることは考え難いです。

ただ、長い目で見ると、身体の使い方が下手になったり、筋肉を上手く使うことができなくなることで、二次的に筋力の低下を招いてしまう事は考えられます。

コルセットをつけないで無理に我慢して痛みを長引かせたり、活動性が下がったりすることの弊害の方が大きいとは思われますが、コルセットに頼らずに済むのであればそれに越したことはありません。
痛みと相談しながら徐々に外していくのが良いでしょう。

ぎっくり腰の予防

ぎっくり腰を経験すると、その後の1年間で約4分の1の患者さんが再発するというデータがあります。再び辛いぎっくり腰に苦しまないためにも、常日ごろから腰にできるだけ負担をかけないことが大切です。そのためには下記のことに注意しましょう。

①無理な姿勢をとらないこと。前かがみの姿勢や重いものの持ち運びなど、腰に悪い生活習慣をなるべく避けるようにしてください。
床の上の物を拾うときは、膝も曲げて腰を落とすようにしましょう。

②猫背やなどの不良姿勢、片脚だけに重心をかけるなど、悪い体の使い癖に気をつけること。また、長時間の腰かけを避け、時折姿勢を変えるように工夫しましょう。

肥満を防ぐこと。太っていると体重が重い分、腰に負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。

適度な運動や体操、ストレッチを行うこと。

ストレスを溜めない生活を心がけること。
ストレスも痛みの原因に大きく関わります。ストレスに対抗できる体づくり、ストレス解消の習慣、環境の変更など、工夫をしていきましょう。

無理のない範囲で日常生活に取り入れ、楽しく体を動かしながら腰椎を支える腹筋や背筋を鍛えましょう。また、腰や股関節まわりのストレッチを習慣づけることも大切です。

まとめ

ぎっくり腰をきっかけにして徐々に腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなどの慢性腰痛に移行していく場合もあるので注意が必要です。

ぎっくり腰(急性腰痛)になった場合は軽視せず、自分の判断のみで改善しようとするのではなく、一度必ず専門家に診てもらいましょう。

ぎっくり腰に限らず、どのようなことでもご相談ください◎

 
 

最後までご覧いただきありがとうございました。

ラスバル整骨院
栁澤昂希

 
参考文献
  • Chou R, Qaseem A, Snow V, Casey D, Cross JT Jr, Shekelle P, Owens DK; Clinical Efficacy Assessment Subcommittee of the American College of Physicians; American College of Physicians; American Pain Society Low Back Pain Guidelines Panel. Diagnosis and treatment of low back pain: a joint clinical practice guideline from the American College of Physicians and the American Pain Society. Ann Intern Med. 2007 Oct 2;147(7):478-91. doi: 10.7326/0003-4819-147-7-200710020-00006. Erratum in: Ann Intern Med. 2008 Feb 5;148(3):247-8. PMID: 17909209.
  • Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA; Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians; Denberg TD, Barry MJ, Boyd C, Chow RD, Fitterman N, Harris RP, Humphrey LL, Vijan S. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2017 Apr 4;166(7):514-530. doi: 10.7326/M16-2367. Epub 2017 Feb 14. PMID: 28192789.
  • Koes BW, van Tulder M, Lin CW, Macedo LG, McAuley J, Maher C. An updated overview of clinical guidelines for the management of non-specific low back pain in primary care. Eur Spine J. 2010 Dec;19(12):2075-94. doi: 10.1007/s00586-010-1502-y. Epub 2010 Jul 3. PMID: 20602122; PMCID: PMC2997201.

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