腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、膝の外側に痛みを生じる代表的なスポーツ障害のひとつです。腸脛靭帯は太ももの外側に位置し、骨盤の腸骨から脛骨までをつなぐ帯状の結合組織で、膝関節の安定性に重要な役割を果たします。ランニングや自転車など、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで腸脛靭帯と大腿骨外側上顆(骨の出っ張り)が摩擦し、炎症を起こすことで発症します。そのため「ランナー膝」とも呼ばれています。
主な症状
- 膝の外側にズキズキとした痛み
- 下り坂ランニングや長距離走行で痛みが増す
- 初期は運動中に出現し、休めば改善する
- 悪化すると運動後や日常生活動作でも痛みが残る
- 慢性化すると歩行や階段の昇降でも支障が出る
ランニングを始めたばかりの方や、筋力不足・柔軟性不足の方に多く見られます。サイクリング、スキー、登山、バスケットボールなどでも発症します。

原因とリスク要因
腸脛靭帯炎の最大の原因はオーバーユース(使いすぎ)です。摩擦による炎症に加え、滑膜や血管・神経の異常増殖が関与して難治化することも報告されています。リスクを高める要因は以下の通りです。
- 過度なランニング・自転車トレーニング
- ウォームアップ不足・柔軟性の低下
- 休養不足
- 硬い路面や下り坂での練習
- 偏った走行(同じ方向のトラック走行など)
- 硬いシューズの使用
- O脚など下肢アライメントの問題
- 脚長差
診断
- 問診:運動習慣、痛みが出るタイミングを確認
- 身体所見:膝外側の圧痛や腫れ
- 画像検査:X線で他疾患を除外、MRIや超音波で炎症の有無を確認
- 鑑別診断:外側半月板損傷、靭帯損傷などとの区別が必要
病院での一般的な治療
- 安静・活動制限
- 冷却(アイシング)
- 消炎鎮痛薬(内服・外用)
- リハビリテーション(ストレッチや筋力強化)
論文では約80%の患者が半年以内に保存療法で改善するとされています。ただし、一部は根本的な原因にアプローチできず、症状が長引くケースもあります。
ラスバル整骨院での施術
整体
- 筋肉・骨格・関節のバランスを整え、腸脛靭帯へのストレスを軽減
- 特に腸脛靭帯と連結する大腿筋膜張筋の緊張を緩和
- 股関節・足関節の可動性改善で膝の負担を分散
鍼灸(必要がある場合)
- 深層の筋緊張をピンポイントで緩める
- 血流促進と神経調整で炎症軽減
- 痛みの抑制と回復をサポート
ピラティス
- 整えた身体に「正しい動き」を学習させ、再発予防
- 股関節・膝関節の動作エラーを修正
- 一人ひとりに合ったエクササイズを提案
特殊電気治療
- 国家資格者が扱う専用機器を使用
- 炎症抑制や細胞再生を促進
- 他の施術と組み合わせて回復を最短化
まとめ
腸脛靭帯炎(ランナー膝)は、安静で一時的に改善しても再発しやすい疾患です。炎症を抑えるだけでなく、股関節・膝関節の動きを正しく整えることが根本改善の鍵となります。膝に違和感や外側の痛みを感じたら、早めに専門家へご相談ください。
【未来の健康を一緒に創りあげていく】
ラスバル整骨院 栁澤 昂希
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
10:00 ~ 13:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
15:00 ~ 21:00 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
参考文献
- 東海北陸理学療法学術大会誌. 腸脛靭帯炎における臨床的特徴と運動療法成績. 第22回学術大会.
- JCHO東京山手メディカルセンター. 腸脛靭帯炎(ランナー膝).