「朝食を抜くと太りやすくなる」という説はよく耳にしますが、果たして本当にそうなのでしょうか?オーストラリアのMonash Universityの研究チームは、この疑問に対して科学的に検証するため、ランダム化比較試験(RCT)のデータを集め、系統的レビューとメタアナリシスを行いました。
朝食と体重の関係:最新研究の概要
研究チームは、**13のランダム化比較試験(RCT)**を対象に、朝食の摂取が体重やエネルギー摂取量にどのような影響を与えるかを分析しました。対象となった試験は、高所得国の成人を対象としており、朝食を摂るグループと摂らないグループを比較する形で行われました。
研究結果
- 朝食を摂るグループは、朝食を抜くグループよりも1日の総エネルギー摂取量が平均259.79 kcal多かった。
- 体重の増減に関しては、朝食を摂ることが体重減少につながるという明確なエビデンスはなかった。
- ただし、研究の質は全般的に低く、結論を出すにはさらなる検証が必要である。
この結果を見る限り、「朝食を抜くと太る」とは言い切れないことが分かります。
「朝食=ダイエットに良い」は本当なのか?
一般的に、「朝食を摂ることがダイエットに役立つ」と考えられる背景には、朝食を摂ることで代謝が活性化されるという仮説があります。しかし、この研究の結果からは、朝食を摂ることで1日の総摂取カロリーが増える可能性があることが示唆されています。
また、「朝食を抜くとお昼に食べ過ぎてしまう」という意見もありますが、この研究では、朝食を抜いたからといって昼食や夕食の摂取量が大幅に増えるわけではないことが示されています。
つまり、朝食の有無が直接的に体重の増減に大きな影響を与えるわけではなく、結局は1日の総摂取カロリーが最も重要な要素である可能性が高いのです。
朝食を食べるか食べないか、どちらがいい?
この研究の結果を踏まえると、「朝食は必ずしも食べなければならないものではない」と考えられます。しかし、それぞれのライフスタイルや健康状態によって、朝食の有無が適切かどうかは異なります。
朝食を摂るべき人
- 朝食を抜くと集中力が低下しやすい人
- 糖尿病や低血糖症のリスクがある人
- 運動をする習慣があり、朝食がエネルギー源となる人
朝食を抜いても問題ない人
- 朝食を抜いても特に空腹を感じず、昼食まで問題なく過ごせる人
- 1日の総カロリーを抑えたい人(トータルの摂取量が増えないよう注意)
- 間欠的断食(16時間断食など)を実践している人
まとめ:朝食の有無よりも「全体の食生活」が重要
今回の研究では、朝食を摂ることが必ずしも体重管理に有利であるとは言えないことが示されました。ただし、朝食の有無にかかわらず、1日の総摂取カロリーと栄養バランスが最も重要であることは明らかです。
「朝食を摂るべきか?」という問いに対しては、個々のライフスタイルや健康状態に応じて選択すべきというのが現時点での最も合理的な答えでしょう。
参考文献
- Sievert K, Hussain SM, Page MJ, Wang Y, Hughes HJ, Malek M, et al. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2019;364:l42. doi:10.1136/bmj.l42
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