有酸素運動だけではダメ?脂肪と筋肉を守る運動とは
減量時の運動は、筋肉を守るために重要
ダイエットや健康のために「有酸素運動」を取り入れる人は多いですが、単に脂肪を減らすだけでなく、筋肉を維持することも重要です。特に高齢者では、筋肉量の減少が転倒や生活の質の低下につながるため、適切な運動方法を選ぶことが鍵となります。
アメリカのWake Forest UniversityのBeaversらが行った研究(Obesity, 2017)では、減量時の運動タイプが筋肉や筋力に与える影響を詳しく調査しました。
研究概要
対象者
- 中高齢者249名(肥満傾向)
- 18ヶ月間の追跡調査
- 3つのグループに分けて比較
- 減量のみ(WL):食事制限のみ
- 減量+有酸素運動(WL+AT):食事制限+ウォーキングやランニングなどの有酸素運動
- 減量+筋トレ(WL+RT):食事制限+ウエイトトレーニング
測定項目
- 総脂肪量の変化(どれくらい脂肪が減ったか)
- 除脂肪量の変化(筋肉がどれくらい減ったか)
- 400m歩行時間(歩くスピードの変化)
- 膝伸展筋力(脚の筋力の変化)
結果:有酸素運動だけでは筋肉が減る可能性がある
グループ | 総脂肪量の減少 (%) | 除脂肪量の減少 (%) |
---|---|---|
WL(減量のみ) | -10.9% | -2.0% |
WL+AT(有酸素) | -16.4% | -3.1%(最大の筋肉減少) |
WL+RT(筋トレ) | -19.0%(最も脂肪が減少) | -1.5%(最も筋肉を維持) |
- 有酸素運動(WL+AT)では脂肪が減る一方で、筋肉量の減少も最も大きいことが判明。
- 筋トレ(WL+RT)は、脂肪を最も減らしつつ、筋肉の減少を最小限に抑えた。
- さらに、筋肉量が減ると膝の筋力も低下するため、身体機能の低下にもつながることが示唆された。
結論:減量中は筋トレを取り入れるべき
この研究から、「ダイエット=有酸素運動だけ」という考え方は危険であることがわかります。
- 有酸素運動は脂肪燃焼に効果的だが、筋肉も落としてしまう可能性がある
- 筋トレを併用することで、脂肪を落としながら筋肉を維持しやすい
- 高齢者ほど筋肉量の維持が重要であり、筋トレを積極的に取り入れるべき
減量を考えている方は、筋トレと有酸素運動をバランスよく取り入れることで、健康的な体を作ることができます。
参考文献
Beavers KM, Ambrosius WT, Rejeski WJ, et al. Effect of Exercise Type During Intentional Weight Loss on Body Composition in Older Adults with Obesity. Obesity. 2017 Nov;25(11):1823-1829. DOI: 10.1002/oby.21977
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ラスバル整骨院 栁澤 昂希
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