人工甘味料はカロリーゼロで「健康的」な甘さを提供する食品添加物として、ダイエットや糖尿病対策として広く利用されています。しかし、「人工甘味料は安全なのか?」という疑問は長年にわたり議論されてきました。2022年、フランスの研究チームが発表した大規模コホート研究は、人工甘味料と発癌リスクの関連を調査し、その結果が大きな話題を呼んでいます。
フランス発・人工甘味料の発癌リスク研究とは?
フランスのUniversity of ParisのDebrasらは、NutriNet-Santé研究に登録された102,865名の成人を対象に、人工甘味料の摂取量と癌の発生リスクを調査しました。この研究は後向きコホート研究の形式で行われ、中央値7.8年の追跡期間中に、人工甘味料摂取と癌発生率の関係が分析されました。
研究では、以下の3つの代表的な人工甘味料について個別に評価が行われました。
- アスパルテーム(Aspartame)
- アセスルファムK(Acesulfame-K)
- スクラロース(Sucralose)
これらの甘味料が含まれる商品(ダイエットソーダ、シュガーフリー食品など)の摂取量を分析し、発癌リスクとの関連を統計的に検討しました。
研究結果:人工甘味料と発癌リスクの関係
この研究の結論は、人工甘味料の摂取量が多い人ほど発癌リスクが高いというものでした。
- 人工甘味料の摂取量が中央値以上の群は、無摂取群と比較して総合的な発癌リスクが有意に高かった(HR: 1.13)
- 特にアスパルテーム(HR: 1.15)、アセスルファムK(HR: 1.13)のリスク増加が顕著
- 特定の癌種では、乳癌(アスパルテーム HR: 1.22)、肥満関連癌(全人工甘味料 HR: 1.13、アスパルテーム HR: 1.15)のリスク増加が確認された
この結果は、人工甘味料が単なる「砂糖の代替」ではなく、特定の健康リスクを持つ可能性があることを示唆しています。
人工甘味料は本当に危険なのか?
人工甘味料の安全性に関しては、これまでも多くの研究が行われていますが、結論はまだ統一されていません。2022年の系統レビューでは人工甘味料の一般的な健康リスクは低いとされていますが(参考文献)、このレビューは発癌リスクには特化していませんでした。
一方で、過去の動物実験では人工甘味料の長期摂取が発癌と関連する可能性が指摘されており、人間を対象とした大規模な疫学研究が待たれていました。今回のフランスの研究はその先駆けとなるものであり、さらなる追試や他の国での調査が必要です。
人工甘味料を避けるべきか?それとも砂糖より安全?
研究者らは、人工甘味料のリスクは確かに存在するが、砂糖との比較も重要であると述べています。
例えば、砂糖の過剰摂取は肥満、糖尿病、心血管疾患のリスクを大幅に増加させることがすでに明らかになっています。そのため、人工甘味料を完全に避けるよりも、過剰な摂取を控え、バランスの取れた食生活を心がけることが現実的な対策となるでしょう。
具体的には、以下のような対策が推奨されます。
✅ 加工食品の成分表をチェックし、人工甘味料の摂取量を意識する ✅ 人工甘味料入りの飲料を減らし、水や無糖茶を積極的に摂取する ✅ フルーツやはちみつなど、自然由来の甘味を活用する ✅ 普段の食事で甘みの強いものを減らし、味覚をリセットする
まとめ
- フランスの大規模研究では、人工甘味料摂取が発癌リスクと関連することが示唆された。
- アスパルテームやアセスルファムKの摂取は、特に乳癌や肥満関連癌のリスク増加と関連していた。
- ただし、人工甘味料のリスクはまだ議論の余地があり、砂糖との比較や長期的な影響を考慮する必要がある。
- 実生活では、人工甘味料を完全に避けるよりもバランスよく摂取を控えることが重要。
人工甘味料の選択については、最新の研究結果を踏まえながら、健康的な食習慣を意識することが大切です。
【未来の健康を一緒に創りあげていく】
ラスバル整骨院 栁澤 昂希
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