世界の運動不足の現状をWHOが発表
「運動不足」は健康を損なう大きな要因のひとつですが、その実態はどれほど深刻なのでしょうか? WHO(世界保健機関)が実施した大規模調査によると、世界人口の約29%が運動不足に陥っており、特に女性の運動不足率が高いことが明らかになりました。
この調査は、2001年から2016年までの15年間にわたり、168カ国の1,900万人を対象に行われたもの。家庭・職場・通勤・余暇時間の身体活動レベルを評価し、週150分の中等強度運動、もしくは週75分の高強度運動を下回る場合を「運動不足」と定義しています。
運動不足の実態:女性により深刻な影響
調査結果によると、2016年時点での運動不足の有病率は全体で27.5%でした。
- 男性の運動不足率:23.4%
- 女性の運動不足率:31.7%
特に運動不足率が高かった地域は以下の通りです。
地域 | 運動不足率(%) |
---|---|
ラテンアメリカ・カリブ海地域 | 43.7 |
南アジア | 43.0 |
高所得西欧諸国 | 42.3 |
一方、比較的運動不足率が低かった地域は以下の通りです。
地域 | 運動不足率(%) |
オセアニア | 12.3 |
東・東南アジア | 17.6 |
サブサハラアフリカ | 17.9 |
また、高所得国では運動不足の割合が低所得国の約2倍に達しており、さらに高所得国では2001年から2016年にかけて運動不足率が5%増加していることが分かりました。
なぜ女性の運動不足が深刻なのか?
この調査では、女性の運動不足率が男性よりも一貫して高いことが示されました。その要因として考えられるのは以下の点です。
- 文化的・社会的要因
- 一部の国では女性が屋外で運動をすることに対する社会的制約がある。
- 家庭内の労働負担が大きく、運動のための時間が確保しにくい。
- 安全性の問題
- 女性が運動する環境の安全性が確保されていない地域もある。
- モチベーションと支援の欠如
- 女性向けのスポーツプログラムや運動の機会が不足している。
- 家族や社会のサポートが十分でない。
WHOの取り組みと日本の課題
WHOは2018年6月に「運動推進グローバル行動計画 2018-2030」を発表し、2030年までに世界の運動不足率を15%減少させることを目標としています。
日本においても運動不足は大きな課題です。日本の運動不足率は30~39%と世界平均より高めであり、特に女性の運動不足率が高いことが指摘されています。
今後、日本でも女性をターゲットとした運動促進プログラムの導入や、家庭・職場での運動機会の増加が求められるでしょう。
まとめ
- 世界人口の約29%が運動不足、特に女性に顕著。
- 高所得国では運動不足率が低所得国の約2倍。
- 文化的・社会的要因、安全性の問題、モチベーションの欠如が女性の運動不足の要因。
- WHOは2030年までに運動不足を15%減少させる計画を立ち上げた。
- 日本でも女性の運動不足を減らすための施策が必要。
健康維持のためには、日常的な運動が欠かせません。特に女性は運動不足になりやすいため、生活の中で少しでも身体を動かす習慣を作ることが大切です。
参考文献
- Guthold R, Stevens GA, Riley LM, Bull FC. “Worldwide trends in insufficient physical activity from 2001 to 2016: a pooled analysis of 358 population-based surveys with 1.9 million participants.” The Lancet Global Health. 2018;6:1077.
DOI: 10.1016/S2214-109X(18)30357-7
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