線維筋痛症とは?
線維筋痛症(Fibromyalgia, FM)は、全身の慢性的な痛みや疲労感、睡眠障害、抑うつ、不安などを伴う疾患です。原因はまだ完全には解明されていませんが、中枢神経の異常な痛みの処理が関与していると考えられています。特に女性に多く発症し、日本でも多くの患者が苦しんでいます。
この病気は診断が難しく、また有効な治療法が限られているため、多くの患者が痛みと共に生活しています。近年、運動療法が線維筋痛症の改善に役立つ可能性が指摘されており、その中でも「太極拳」が注目されています。
太極拳と線維筋痛症の関係を科学的に検証
Tufts UniversityのWangらによる研究(BMJ, 2018年)では、線維筋痛症患者226名を対象に、
- 有酸素運動グループ(週2回×24週間)
- 太極拳グループ(週1回または週2回×12週間または24週間)
に分け、どちらがより効果的かをランダム化比較試験(RCT)で検討しました。
研究結果:太極拳の方が有酸素運動より効果的
24週間後の評価では、すべてのグループで線維筋痛症の影響スコア(FIQR)が改善しましたが、太極拳グループの改善度が有酸素運動グループよりも有意に高かった(群間差5.5点)。
また、以下の心理的要素にも改善が見られました:
- 患者の自己評価(+0.9点)
- 不安感の軽減(+1.2点)
- 自己効力感の向上(+1.0点)
- 対処能力の向上(+2.6点)
さらに、太極拳は頻度が多いほど効果が大きく、12週間より24週間の方が改善度が高いという結果が得られました。
なぜ太極拳が効果的なのか?
太極拳は単なる運動ではなく、呼吸法・瞑想・ゆったりとした動きを組み合わせたものです。これにより、
- 自律神経を整える → ストレスを軽減し、痛みの知覚を改善する。
- 筋肉の緊張を和らげる → 痛みの悪化を防ぐ。
- 身体のバランスを整える → 運動能力の低下を防ぎ、生活の質を向上させる。
という作用が期待できます。
まとめ:線維筋痛症の管理には太極拳がおすすめ
今回の研究では、太極拳が有酸素運動よりも線維筋痛症の症状改善に効果的であることが示されました。
- 線維筋痛症の痛みを軽減する
- 不安感を和らげる
- 自己効力感を高める
- 生活の質を向上させる
という点からも、太極拳を取り入れることは理にかなっています。
ラスバル整骨院では、運動療法や呼吸法を活かした健康プログラムを提供しています。運動療法に関心のある方は、ぜひご相談ください.
参考文献
Wang C, Schmid CH, Rones R, et al. Effect of tai chi versus aerobic exercise for fibromyalgia: comparative effectiveness randomized controlled trial. BMJ. 2018;360:k851. doi:10.1136/bmj.k851
【未来の健康を一緒に創りあげていく】
ラスバル整骨院 栁澤 昂希
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