ビタミンDサプリの効果は低BMIの人だけ？最新研究が示す驚きの事実

✅ ビタミンDサプリは誰にでも効くわけではない？

ビタミンD（VD）は、骨の健康維持や免疫機能向上に重要な栄養素として広く知られています。しかし、「ビタミンDサプリは本当に効果があるのか？」という疑問が、これまで多くの研究で議論されてきました。

今回、アメリカのBrigham’s Division of Preventive Medicineが発表した最新研究（JAMA Network Open, 2023年1月号）では、ビタミンDの効果が体重（BMI）によって異なる可能性が示されました。

✅ ビタミンDの実際の効果とは？

ビタミンDは、単なる「骨の健康に良いビタミン」ではなく、全身の健康に重要な役割を果たしています。以下のような多くのメリットが科学的に証明されています。

1. 骨と筋肉の健康を維持

ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を助け、骨密度を維持する重要な栄養素です。これにより、骨粗しょう症や骨折のリスクを軽減し、特に高齢者の転倒リスクを減らすことが期待されています。

2. 免疫機能の強化

ビタミンDは免疫細胞の活性を高め、感染症や自己免疫疾患のリスクを低減することが示唆されています。特にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症（COVID-19）との関連についても研究が進んでいます。

3. 筋力向上と運動パフォーマンスの向上

最近の研究では、ビタミンDが筋肉の強さを維持し、筋肉量の減少を防ぐ効果があることが示唆されています。これはスポーツ選手だけでなく、高齢者のサルコペニア（加齢による筋肉減少症）の予防にも役立ちます。

4. 精神的な健康をサポート

ビタミンDは脳機能にも影響を与え、不足するとうつ症状の悪化や認知機能の低下と関連があるとされています。特に、日照時間が少ない冬場に気分が落ち込みやすくなる「冬季うつ（季節性情動障害）」との関連も報告されています。

5. 心血管疾患リスクの低減

一部の研究では、適切なビタミンDの摂取が高血圧や心血管疾患のリスクを下げる可能性があるとされています。しかし、まだ議論の余地があり、今後の研究が求められています。

6. がん予防の可能性

ビタミンDの適切な摂取が特定のがん（大腸がん、乳がん、前立腺がんなど）のリスクを低下させる可能性があると報告されています。これはビタミンDが細胞の増殖や分化を調整する役割を持つためと考えられています。

🧑‍🔬 研究概要：VITAL試験のデータを解析

この研究は、2010～2018年に行われた**Vitamin D and Omega-3 Trial（VITAL試験）**の参加者データ（16,515名）を用いて、BMIとビタミンD代謝の関係を分析したものです。

• 参加者はBMIに基づきグループ分け
• 1日あたり2,000 IUのビタミンDサプリを摂取
• 血中のビタミンD関連バイオマーカー（25OHVD、25OHVD3、VD結合タンパク、アルブミン、カルシウム、副甲状腺ホルモン）を測定

🔬 結果：BMIが高いとビタミンDの効果が低下

⚠️ 高BMIグループでは血中ビタミンDが上昇しにくい

研究結果によると、BMIが高いグループでは以下の傾向が見られました。

✅ ベースライン（サプリ摂取前）の血中ビタミンD濃度が低い
✅ ビタミンDサプリを摂取しても、血中ビタミンD濃度の増加が少ない
✅ 副甲状腺ホルモン（PTH）の値が高い（PTHはカルシウム代謝に関与）

一方で、BMIが低いグループでは、ビタミンDの血中濃度が顕著に上昇し、明確な効果が認められました。

🤔 なぜBMIが高いとビタミンDの効果が低くなるのか？

この研究から、BMIが高いとビタミンDの吸収・代謝が阻害される可能性が示唆されました。その理由として、以下の仮説が考えられます。

1. 脂肪組織がビタミンDを蓄積しやすい → 血中に放出されにくい
2. 炎症レベルの上昇 → ビタミンDの代謝を妨げる
3. 肝臓や腎臓の代謝能力の低下 → 活性型ビタミンDの生成が減少

📌 じゃあ、高BMIの人はどうすればいい？

ビタミンDサプリを摂取しても効果が薄いとしたら、どのようにビタミンDを補給すればよいのでしょうか？

🌞 日光をしっかり浴びる（紫外線が皮膚でビタミンDを合成）
🥩 食事からビタミンDを摂る（魚類、キノコ、卵など）
💊 医師と相談して適切な摂取量を調整する（より高用量の摂取が必要な可能性あり）

✨ まとめ

🔹 ビタミンDサプリの効果は、BMIによって異なる可能性がある！
🔹 BMIが高い人は、ビタミンDの吸収・代謝が低下する可能性がある！
🔹 サプリだけでなく、日光浴や食事もビタミンD摂取には重要！

この研究は「ビタミンDサプリが誰にでも同じように効くわけではない」という新たな視点を提供しています。 体重管理も、ビタミンDの効果を最大限に活かす鍵になるかもしれませんね。

ちなみに私が普段摂取しているビタミンDサプリはこちらです。
https://www.iherb.com/pal/referral/pdp/NUW7517?productId=70316&rcode=NUW7517&utm_medium=appshare

📚 参考文献

• Tobias, D. K., et al. “Association of Body Weight With Response to Vitamin D Supplementation and Metabolism.” JAMA Network Open, vol. 6, no. 1, 2023, pp. e2250681. PubMed
• Manson, J. E., et al. “Vitamin D Supplements and Prevention of Cancer and Cardiovascular Disease.” New England Journal of Medicine, vol. 380, no. 1, 2019, pp. 33–44.

【未来の健康を一緒に創りあげていく】
ラスバル整骨院 栁澤 昂希