✅ 最新の研究から見えてきたこと
関節リウマチ(RA)患者に対する鍼治療が、虚血性脳卒中リスクを約40%低下させる可能性があることが報告されました。台湾の大規模データベースを活用した研究で、鍼治療を受けたRA患者の脳卒中発症リスクが顕著に低下したことが示されています。
📖 研究概要
論文タイトル: Effect of acupuncture on ischaemic stroke in patients with rheumatoid arthritis: a nationwide propensity score-matched study
ジャーナル: BMJ Open
発表: 2024年2月
研究機関: 台湾 China Medical University
研究では、台湾のNational Health Insurance Research Database(NHIRD)を用い、1997~2010年に新たに関節リウマチと診断された患者23,226名を対象に、鍼治療を受けた群と受けなかった群を比較しました。
✅ 研究結果
- 鍼治療を受けたRA患者は、虚血性脳卒中リスクが約40%低下(調整sub hazard ratio 0.57)
- 鍼治療の効果は、性別・年齢・使用薬・併存疾患と無関係
- 平均治療回数9.83回、RA初診からの平均期間は約3年間
研究では、鍼治療が抗炎症作用をもたらし、血流の改善を通じて脳卒中リスクを抑える可能性が示唆されました。
✅ なぜ鍼治療が関節リウマチ患者に効果的なのか?
関節リウマチは、慢性炎症性疾患であり、血管にも炎症が広がることで、脳卒中リスクが高まることが知られています。鍼治療の効果として、
- 抗炎症作用
- 研究では、鍼治療によって炎症性サイトカイン(IL-6やTNF-α)の抑制が確認されている
- 血流改善
- 鍼による神経刺激が血管を拡張させ、脳への血流を促進する可能性
- ストレス軽減と自律神経調整
- 自律神経のバランスを整えることで、血圧や血流を安定化
これらの要因が複合的に働き、脳卒中リスクの低下につながる可能性があります。
⚠️ 研究の限界
この研究は大規模なデータベースを活用したものですが、因果関係を確定するものではなく、ランダム化比較試験(RCT)の不足が指摘されています。
台湾からの驚くべき報告である一方で、科学的な慎重な検討が求められています。 著者らは、観察研究の制約を認めつつ、鍼治療の抗炎症効果が脳卒中リスク低下に関連している可能性を示唆しています。 しかし、University of ExeterのErnst教授は、**「この研究がBMJの査読を通過したことに失望している」**と厳しく批判しており、大規模RCTなしには確実な証拠として受け入れがたいとの見解を示しています。 さらなる研究が必要であることは間違いありません。
また、
- どの種類の鍼治療が有効なのか?
- どの頻度・期間で効果があるのか?
といった点は今後の研究が必要とされています。
✅ 鍼治療を受ける際のポイント
鍼治療は、専門の施術者が行うことで、安全かつ効果的に受けられる治療法です。特に、関節リウマチの炎症緩和や、血流改善を目的とした施術は、多くの患者にとってメリットが期待できます。
✅ まとめ
- 最新研究で関節リウマチ患者の脳卒中リスクが40%低下する可能性が示唆された
- 鍼治療は抗炎症・血流改善・自律神経調整の効果が期待できる
- しかし、さらなるRCT研究が必要
- 施術を受ける際は、専門的な知識を持つ施術者のもとで行うことが重要
📖 参考文献
- Yen, H. et al. Effect of acupuncture on ischaemic stroke in patients with rheumatoid arthritis: a nationwide propensity score-matched study. BMJ Open, 2024, 14:e075218.
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