呼吸が自律神経をコントロールする

自律神経をコントロールする呼吸法

自律神経を変動させる要素として、

• 呼吸
• 血圧
• 遺伝的要素
• BMI（肥満指数）
• 喫煙
• 姿勢（寝ている、立っている）

が主に上げられます。

上記の内容を見てわかるように、自分ですぐにコントロールできるのは「呼吸」です。

ではどのような呼吸が、自律神経に良い影響を及ぼすのでしょうか。

副交感神経を優位にする呼吸

呼吸は、

吸う→交感神経の活動が高まる

吐く→副交感神経の活動が高まる

そのため、吐く時間を長くゆっくりとした呼吸を行うことが副交感神経を高めるポイントとなります。

１：２の呼吸

呼吸に関する論文は世界中に多くあります。

数多くある論文でポジティブな成果が出た研究は、

ゆっくりと長い呼吸（１分間で約６回程度）を繰り返すという研究でした。

その中で、最もエビデンスレベルが高い論文では、

「１：２の呼吸（３秒吸って：６秒吐く）」

が副交感神経の活動を高めるということが明らかになっています。

他にも

「１：１：１（４秒吸って：４秒吐いて：４秒止めて）」

の呼吸も同様の成果が出ています。

ゆっくりと長い呼吸を行うことがポイントで、日常に取り入れやすい「１：２の呼吸」をおすすめいたします。

２分間繰り返す

ゆっくりと長い呼吸を“２分間繰り返す”だけで、その場ですぐに副交感神経の活動が高まることがわかっています。

落ち着きたい時、焦ってしまう時、集中したい時、眠れない時
「１：２の呼吸」を２分間行うことで副交感神経の活動が高まり、自律神経のバランスが整います。

その場ですぐに効果を出すためには、２分間呼吸を続けてみましょう。

スマホアプリを活用して呼吸をコントロールする

呼吸をコントロールする際に、視覚や聴覚からのサポートがあると非常にわかりやすく、呼吸のリズムが取りやすくなります。

呼吸を行いたい時に、アプリを開き、ペースを合わせて行うことをおすすめします。

数ある呼吸をペーシングするアプリの中でハーバード大学のメディカルスクールでも推奨されているものをご紹介いたします。

私も普段、集中したい時や落ち着きたい時にこちらのアプリを使用しているのですが、非常におすすめです。

『Breathing Zone』

〈App Store〉

https://apps.apple.com/jp/app/breathing-zone/id369838631?uo=4

〈Google Play〉

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.breathing.zone

①アプリを開くと鮮やかな蓮の花のようなマークが出てきます。

このマークは好みの色に変えることができます。

②呼吸の設定を行います。

右へスワイプし「BREATHING PATTERN」をタップします。

③上から３番目の「Extended Exhale」を選択します。

こちらはパワーブリージングといい、前述した「１：２の呼吸」の設定になります。

あとは前のページに戻り、時間を２分に設定し、ペースをとってくれるマークや声に合わせて呼吸を繰り返します。

呼吸を行いたい時に、アプリを開き、ペースを合わせて行うことをおすすめいたします。

ぜひ、実践してみてください。

呼吸は必ず鼻呼吸

呼吸は必ず、鼻呼吸で行いましょう。

“口呼吸は百害あって一利なし”と言っていいほど、悪影響が大きいです。

口呼吸症候群という言葉が生まれるほど、口呼吸が体に及ぼす影響は大きく、活動時は９２％、睡眠時は９６％が鼻呼吸であるべきというデータもあるほどです。

口呼吸が体に及ぼす悪影響を語り出すと一つの記事が書けるほどになりますので、今回は割愛いたします。

とにかく、呼吸は鼻呼吸、特に吸うときは必ず鼻から行いましょう。

まとめ

呼吸をコントロールし、副交感神経の働きを高めることで、

• 心血管疾患罹患率の低下
• ウェルビーイングの向上
• 死亡率の低下
• 幸福感の向上
• うつ病のリスクの低下

など、様々な効果があることが研究で明らかになっています。

私も意識的に生活に取り入れ、効果を実感しております。

みなさんも是非、呼吸による自律神経のコントロールを身につけていきましょう◎

最後までご覧いただきありがとうございました。

ラスバル整骨院
院長　栁澤 昂希

参考文献

Bae D, Matthews JJL, Chen JJ, Mah L. Increased exhalation to inhalation ratio during breathing enhances high-frequency heart rate variability in healthy adults. Psychophysiology. 2021 Nov;58(11):e13905. doi: 10.1111/psyp.13905. Epub 2021 Jul 20. PMID: 34289128.